Macのソフト売り場としてのApp Storeー欠点
前回は
Macのソフト売り場としてのApp Store その利点について書いた
物事には長短があるわけで、
今回はその短所ー欠点について書いてみる
大雑把に言って、以下のようなデメリットがあると思う
・一本化されたことの弊害
・操作性、閲覧性
・検索性
・説明文
・アップデート、バージョン
まず、メリットでもある
・一本化されたことの弊害
について。
Mac App Store がMacのアプリケーション売り場として確固たる地位を占めたことで、
・パッケージソフトや他のダウンロードサイトが見つけにくくなった
という状況が発生した
実は、今でも箱ものー通常のパッケージに入ったソフトは販売されている
例えば携帯Syncなどは、Macと携帯(ガラケー、スマホ)を接続するUSBケーブルも同梱されたパッケージがあるのだが、そうしたものは当然ダウンロードでは購入できない
また高速インターネット回線に繋いでいない場合や、モバイルなどで従量制の通信料金がかかる場合は、モノによって時間や通信料金が馬鹿にならない
バックアップディスクや、同梱されるサービスソフト(試供品や無料版)、その他の箱に入っているオマケ類、インストール時など画面上でマニュアルが参照できないときに重宝する「紙のマニュアル類」がない
そういうのをまとめたサイトは少なく、一般的にはAmazonあたりで検索する他ない
また携帯Syncのリュウドや、その他自社サイトだけでソフトを販売しているところも依然として結構あるのだが、それらは個別に検索しなければならないので辿り着くのが困難だ
App StoreができてからMacを使い始めた人の中には、MacのソフトはMac App Store でしか買えないと思っている人も少なからずいることだろう
そして、一本化されたことから派生するのは
・価格による選択肢がなくなる
ということ
ショップによっては割引があったり、別の特典がついてくることもあるのだが、
Mac App Store では当然ながらワンプライス
割引キャンペーンもあったりするが、基本的には全て定価販売で、安く買うとかショップ独自の特典を受けるチャンスがなくなってしまう
例えば、画像加工の定番、Adobe Photoshopの簡易版
Adobe Photoshop Elements 11 Editor
これはMac App Store では現在6,100円で売られている
ところが、Adobe本家のサイトだと期間限定で4,000円キャッシュバックなんてキャンペーンをやっている(ファミリーパックが対象だが)
また、市販だとWin/Mac共通だったりアップグレード版や学割版、Premiere Elementsとのセット販売もある
【送料無料】アドビシステムズ Photoshop Elements 11 日本語版 アップグレード版【Win/Mac版】(DVD-ROM)
そうしたバリエーションを比較検討できないまま、App Storeしかないと思い込んで購入しているとしたら…どうだろう?
次に、
・操作性、閲覧性
Mac App Store のサイトから閲覧すると、ソフトはジャンル別に羅列されており、アルファベット順に並んでいるが…
いまどきこんなユーザインタフェースはないわ…
そしてMac App Store のアプリケーション自体を立ち上げてみると、
これがシングル画面
ブラウザなら複数画面を立ち上げて比較検討するところだし、それが今時のパソコンの便利な所なのだが、それができない
これは色々アプリを物色しているときにかなりストレスだ
時間も無駄にかかる
これに関連して、
・検索性
これもGoogleなどの検索サイトやタグ付きの情報管理に慣れた後だと、検索窓にキーワードを入力するだけというのは不便だ
ネットショッピングではジャンルや価格、あと要らないものをふるい落とすための検索オプションが備わっているところもかなり増えたが、それができない
・説明文
海外アプリも並んでくるので、アプリの説明文が外国語というのが凄く多い…
パッケージソフトなら代理店が日本語版を作るところだろうが、ダウンロード商売でそこまでコストを掛けられるのは大手とか、単価がかなりお高いものに限定されてしまう
日本語・・・っぽい自動翻訳で意味不明の説明文だったり…
また、サイトのデザインを揃えているため説明画面も限定的
操作説明動画とか、readme的な説明文などは結局売り手のサイトを訪問するぐらいしかない
・アップデート、バージョン
これが一番厄介
Mac App Store の機能として、アプリの更新があったときに通知したり、なんならまとめて一気にアップデートを掛けたりするわけだが、
ダウンロード形式、課金の容易さなどからその頻度が高い
いろんなアプリを導入していると、ほぼ常時アップデート候補が表示されている状態になる
そのアップデートやバージョンアップもクセモノで、
良くなるとは限らない
これはシャレにならない
従来なら、ギークと呼ばれるマニアックな使い手がまず新製品にトライ、
変更点や使い勝手、不具合などが雑誌やサイトなどで公表されて
一般ユーザはそれを参考にアップデートする、しないを判断できたのだが
今は売り手が登録したとたん、あらゆるユーザがアップデート可能となるため
様々なアプリのレビュー欄で
「改悪」
「使えません」「不具合が出ます」「データが消えました」「なんとかしてください」
「前の方が良かった」
などというコメントを嫌というほど見かける
そして旧バージョンが購入不可になることも多いため、
新しくしたら困った/使い勝手が悪かった/自分のMacはスペック的に厳しいから古いバージョンが欲しい
というケースに対応できない
旧バージョンもAmazonなどでは依然入手可能
確かにMac App Store /iTunes Store形式はアプリの単価を下げ、多くのアプリを気軽に購入できるようになり、アップデートなども簡単で便利になった
そういう利点はあるものの、上記のような欠点も結構ある
ユーザとしては、それを踏まえて
Mac App Store と他のダウンロードサイト、あるいはパッケージ版ソフトをうまく比較検討し、選択していく必要があるんだろうと思う